自作STG録(2) 3作品目「A.E.R.O.s」コンセプト

自作STG録

自作横スクロールシューティングゲーム3作品目にして、今までの集大成にするつもりの作品「A.E.R.O.s」。(以後AEROsと呼称)
今までとは比にならない開発期間の間には様々な紆余曲折があった。多重スクロールらしきものを作り、ピクセルのゴミを量産して全部没にし、原因不明の背景バグに悶絶したり、数か月作ったボス用スプライトを危うく消失しそうになったり別ゲーにハマったりそもそもTurbowarp飽きて実に数カ月の間放置したり
それでもかつて技術不足で泣く泣く諦めた事が数多く実現でき、風前の灯ながらモチベーションを維持してきた。今回はそんなAEROsに関する「作品全体のコンセプト」辺りを記載していく。


※本稿はAEROsのネタバレを多分に含みます。


目次

・作品コンセプト
 ・作品コンセプト①
 ・作品コンセプト②
 ・作品コンセプト③

・STGとしての要素
 ・自機
 ・当たり判定
 ・難易度
 ・残機
 ・スコアアタック

・作品コンセプト①
「RAS1.5のシステムでRASのリブート」。

今作で重要なコンセプトとして掲げている。RAS時代は「stgらしき何か」を作るので精一杯で数多くのやりたい事を早々に断念していた。なので完成した事自体は嬉しかったものの、それと同じぐらい無念の思いも秘めた作品だった。2度目の制作を実現させた今こそ当時断念した事に再チャレンジしたいと考えており、AEROsの要素には「当時断念したor失敗して没にした要素へのリベンジ」の意味合いが込められた物も幾つかある。RAS1.5とシステムはほぼ一緒だが、展開はRAS時代に思い浮かべていたものに近い・・と、RASとRAS1.5のキメラ的存在。

こう並べてみると、ちょっと懐かしい気持ちになる

・作品コンセプト②
「90年代業務用風演出系横STG」

今作を過去作と切り離して表現するならこうなるんじゃないかな、と考えている。私が好きな作品は「明確に魅せる事を目的とした演出が盛り込まれ、戦略性を売りにした作品」が多いようで、その特徴があてはまる作品はだいたい「90年代の作品」や、「90年代の作品をルーツにした作品」ばかり。じゃあオレって90年代stgが好きなのかな?って考えるようになり、自作品にも好みを色々反映させていった。何をもって90年代風と捉えるかは人それぞれなので違くない?と思うかもしれないが、私は前述の「演出、戦略性重視」と、後述する幾つかの要素に見出した。

・作品コンセプト
「昔ながらのSFチックな作風」

宇宙やら大空やら大自然やら機械風の何かをバックに、強力な戦闘機が幾多の敵を蹴散らす・・・私はこの絵面がたまらなく好きだ。一昔前なら飽和する程見かけたこれらは、近年ではそこまで見かけない。フリー素材とか探してもまるで無い。なので自分で作ることにした。
私はこの世に生を受けてから「絵を描く」という事にまるで興味を示さなかった人間で、最初は出来上がる汚いピクセルのゴミに嫌気がさして仕方なかった。今思うとなんで辞めなかったんだんだろってレベルで嫌々やっていたが、それだけ当時の私はSTGに飢えていたんだろう。幸いにもそれは無駄にならず、今は「何かの模倣」ぐらいならこなせるようになったためか、ドット絵作成もそこそこ楽しめてる。
基本私が絵を描く時は「STGやらSFやらの画像」とか「押し入れとかにしまわれてたおもちゃ」とか「旅行先で撮った使えそうな画像」等を用意してそれをひたすら模倣して描いている。そんな体たらくなので絵を描くための「技法」とか「決まり事」とかガチで一切知らないが、自分なりにSFシューのような雰囲気を作る心がけはしたつもりだ。

AEROsスクショ一部。どうじゃ、普通にSFシューしとるじゃろう。

ここからはSTGを構成するのに不可欠な幾つかの要素に対し、AEROsはどんな作りになっているかを記載していく。

自機
STGに限らず、自分が操作するキャラがどうかは作品全体に大きく影響する。AEROsが目指したのは「どういう事をすればいいかパッと見でわかって、性能が高くて、やり込むと奥が深い」自機。
自機「AEROSTAR」が出来ることは「ショット」「レーザーサイト方向転換」「溜め撃ち」の3種類とそこまで多くない。ゲーム映像を見てもこういう事ができますよっていうのがわかりやすい作りになっている。
 ・ショット
正面に長射程のメインショット、「レーザーサイトが向いている方向」に短射程のサブショットを発射。どちらとも敵を貫通する。
性能は至って普通だが、ワイドショットの類ではないため敵にしっかり軸を合わせる必要あり。敵配置は前からの敵が多いがそれ以外からも時々出てくるため、サブショットを「正面に向けて火力を上げる」か「上下や後ろに向けて死角をカバーする」か、プレイヤーに選択を迫る。
 ・レーザーサイト方向転換
サブショット、溜め撃ち射出方向を決めるレーザーサイトの向きを変更する。時計回り、反時計回りどちらにも回転させられる。色んな方向から敵が来る作品のためよく使う。
 ・溜め撃ち
今作の核たるシステム。正式名称「PHOTON DAYBREAK」。STGに限らず様々な作品で見かける御馴染みのシステム。
AEROsにおいては「専用のゲージが必要」「前述の通り360度いかなる角度にも発射可能」「溜めた時間に応じてゲージ消費量増大、威力と判定強化」「一部の敵弾を消去」「これで撃破すると高得点」で、これらはRAS1.5時代からそうだった。
非常に強力な武装だが専用ゲージは自動回復し、何度でも使える。事前にリソースを溜めることで連発もできる。よく見かけるボムのように「撃てる回数が決められている起死回生の手段」というよりは「強いけどゆるく制限がかけられた第二の武装」ぐらいに捉えて欲しくて作った。
また、溜め撃ちはボスも使用してくる。正式名称「QUANTUM HOWITZER」。
ボスと自分の溜め撃ちが激突すると鍔迫り合いが発動し、出力が上回った方が勝利。画面を覆い尽くす程巨大化し、威力も数倍に跳ね上がった溜め撃ちが相手を襲う。(威力増加は自機側のみ)
溜め撃ちの比重が大きい作りだが、溜め撃ち自体は気軽に使える。狙い撃ちとリソースマネジメントを融合させたこれらを上手く使いこなして生き残ってくれ!

性能以外の話をすると、前2作品で描いたオリジナルの戦闘機(RASは技術本についてきたサンプルグラフィックを多用)は上から見た絵だったのに対し、AEROsは横から見た絵のつもりで描いた。自機を動かした時の傾きも実装している。やっぱ横シュー作るならこういうの欲しいじゃん?出来はまだまだかなとは思っているが、自分の中の「stg作ったらやりたいリスト」最上位レベルだった要素なので、今はできただけで大満足。

・当たり判定
90年代辺りから「敵弾の量が多いが、凄まじく小さい当たり判定なのでスイスイ躱せる」弾幕STGというジャンルが定着した。この頃の作品を色々追っていくと徐々にその波が来ているのが感じ取れて、弾幕STGを名乗っていないタイトルも80年代頃より弾が多かったり、判定が「カスる程度なら危なくない」っていうのが結構あって、年代が後半になるにつれその傾向はより強まっている。私的にはあまりに判定が小さすぎると「なんで生きているかわからない」興醒めする嘘避けが起こり、デカすぎると「窮屈」と感じ、作品によっては理不尽な被弾が起きてしまう。
よってAEROsは「弾幕STGとまではいかないがスイスイ躱せる塩梅」を目指した。弾幕STGは「自機判定、弾判定共に豆粒」なケースが多数だが、AEROsは「自機判定小さめ、弾判定は見たまんま」な設計。

こいつが自機「AEROSTAR」の横顔。中心にある不自然に赤い部分が当たり判定。
ゲーム中は点滅するのでもう少しわかりやすい。

・難易度
AEROsは自作品初となる3種類の難易度を搭載。easyは「日常的にSTGをやらない人間が数回やれば1ccできる」を、normalは「日常的にSTGをやる人間が数回やれば1ccできる」を、hardは「stgに腰を据えて挑んだ事がある人間がやり込めば1ccできる」を目指している。
簡単難しい以外の側面で言うと、「ゴリ押しをほどよく許容」や「覚えゲー要素がやや強め」といった印象を持たせたかった。前作よりやや弱体化したとはいえ溜め撃ちが強い作品なので、これをとりあえずブッパすればいいシーンも多い。多少「システムが強すぎて単調」寄りになってもいいのでシステム前提の息苦しい作りみたいには陥らないように調整するのが、私がAEROsに求める理想形。まあさすがにhard終盤とかはシステム前提にしてやろうと思っているが。
難易度調整に関しては「hardを基準とし、そこから差し引く形でnormal、easyを制作」している。つまりhardが完全体なのだがその弊害でnormal以下の難易度調整が私的にはあまり上手くいってない。どうしようかな〜・・

左EASY、真ん中NORMAL、右HARDの同一攻撃。静止画なので比較は難しいが一例として。
EASYのみ弾の形が違うが、これはショットで破壊可能な弾。

・残機
90年代STGに影響を受けた本作だが、ここに関しては90年代業務用に寄らない作りにしようと考えた。この時代に見られる「稼ぎ推奨したかのようなゲームデザインしときながら全く残機が増えない」作りが好みでない。インカム稼ぎ、業務用ゆえの難易度調整、他には凄腕の上級者達に「捨てゲー」させて金を落とさせるのには役立つだろうし、時代と背景を考えれば仕方ないが、現代のコンソール等でSTGを作るなら御法度レベルと私的には思っている。AEROsは敵配置や中ボスのアイテムジャラジャラで稼ぎを促しつつ、スコアを稼げば1upする仕様の導入で脱却しようとした。
記事執筆時点の残機に関する仕様は「初期LIFE5、最大LIFE8」「稼げば無限に増えるエブリエクステンド制、難易度が高いほど1upに必要な点が厳しくなる、といった感じ。ただAEROs開発してたここ数年間で面白かったと感じたSTGが被弾許容数多めのタイトルばかりだった事もあり、「もっとゆるくしてもいいかも?」と最近は考えており、もしかしたらAEROs version1.0公開時には変わっているかもしれない。

難易度初回1up点2回目以降1up点
EASY200000500000毎(700000⇒1200000・・)
NORMAL400000850000毎
(1250000⇒2100000・・)
HARD10000001200000毎
(2200000⇒3400000・・)

これだけ見せられてもゲーム中に入る点数がどれくらいか知らないと、渋いか大盤振る舞いかわからないがこんな感じ。
感覚としてはHARDなら「やること全部やれば」1面につき1機ずつ増えていくぐらい。
EASY~NORMALは稼ぎの仕様を理解すればそれより速いペースで増えていくと考えてもらってOK。
「残機ウハウハ」とまではいかないがある程度は増える・・ぐらいの塩梅を目指した。

・スコアアタック
「貫通溜め撃ちでいかに無駄なく多くの敵を倒すか」「中ボスやボスをいかに弾が多く滞留したタイミングで倒すか」この2点が重要になる。システムが強いSTGはだいたいスコア稼ぎも熱くなる事が多いが本作もそれを目指した。後者は弾幕STGとかだと飽和するレベルでよく見かけるが、これが気持ちいい事に変わりはないし私も好きな要素で、なんなら1作品目から採用している。
前者は現世に実在したわけではないが、あるゲームinゲームに収録されていた作品に強い影響を受けている。それは「ギャプラス」辺りに非常に似たSTGで、パワーアップすると貫通弾を放てるのだが、独自の要素として「貫通弾で敵を倒すと×2→×4→×8・・・と倍率がかかる」仕様があり、更に「ギャラガ」のような「敵が色んな編隊を組んで去っていくだけ」のボーナスステージがある。このボーナスステージがすごい良い出来で、全ての敵配置が編隊飛行中のどこかで敵が集約する瞬間があり、そこを上手く狙うと一発で敵一掃→大量スコア・・・という病みつきになるステージだった。

気になった人は「コズミックゲート MASA-X版」で検索だ。
私は過去に動画も投稿しているので興味があればどうぞ。
https://youtu.be/61_TDxDjWCo?si=oSIuoJfihM3FrlPc

まだまだ要素に関しては話し足りない部分もあるが今回はここまで。簡潔にまとめるとAEROsは「自機強くて、間口はそれなりに広くて、演出カッコよくて、遊びやすいけど突き詰めると奥深いSTG」を作りてぇ!って思いをぶつけた一品って事でした。
次回はAEROs各面の紹介をしていくぞ。

2026/03/17 公開

タイトルとURLをコピーしました